突然ですが、結婚して早21年。
思えば、正月や盆、妻の実家に帰省するたび、義理の両親に、大層なごちそうをいただき、帰る際は大量の米などをもらい、時には船釣に連れて行ってもらうなど、お世話になりっぱなしでした。
そんな中、私は何一つした事がありませんでした。
そんな思いから、なんとなく500円貯金を始めるのでした。
一年あまりが経過し、それを開けると、まだまだ半分程度でしたが、妻にいろんなプランを探してもらい、唐津市の水野旅館に、我が家族5人と合わせ計7人で日帰り旅行に行きました。
そこは創業昭和28年の老舗。
今回の部屋は「西の間」でしたが、「城の間」などからは、お城が一望できるようです。
詳しくは分かりませんが、太閤と書いていることから、豊臣秀吉が名護屋城から朝鮮へ出兵する際、食した魚のことを書いているように感じました。
いわゆるこの旅館は、由緒あるのでしょう。
一品目は白魚の踊り食いです。
このメニューは時期によるもので、運よく自身初めていただきました。
実は、私は生物が不得意で、且つ、生きたままの物を食べるのに抵抗を感じましたが、実際食べてみると、美味しくいただけました。
次にタイの刺身です。
これも、なんの臭みもなく、生物ということを感じさせず、美味しくいただきました。
本来イカの生き造りの身は透明で、食べるとコリコリとして触感がいいですよね。
が、個人的感想ですが、味をあまり感じない気がします。
しかし、今回出てきた生き造りは、イカをさばいたのち、少し寝かせていると思います。
そのことからか?
その姿は少し白みがかって、そしてそれを口にすると、とても甘く美味しかったです。
が、せっかなので口にしました。
するとなんと美味しいこと。
その餅に乗っているのは菜の花。
ピンクがかっているのは桜の花びら。
すべて食べました。
次にサワラです。
実は、ぼんぼん育ちの私は、幼少期、焼き魚などの骨を母親に取ってもらっていました。
その影響からか?
焼き魚を食べることを得意としません。
が、なんと言うことでしょう。
一切、骨が無いのです。
そう、調理の際、すべてそれを除去してくれているのです。
なので、骨を心配することなく、ガブリといただきました。
個人的には、今回の料理のNo.1です。
次にカキです。
カキはいただき物などをたまに食べますが、その際、その鮮度を気にして、必要以上に焼いてしまいます。
が、このカキは絶妙な焼き加減で、とても美味しくいただきました。
次に先ほど出てきたイカの生き造りの残りで、調理法は、天ぷら、塩焼き、酢みそ和えから選べるそうで、今回は、天ぷらにしました。
しかし、酢みそ和えとは珍しいですよね。
そもそものイカが良いのか?
揚げ方が良いのか?
今まで食べたイカの天ぷらの中で、最高峰の美味しさでした。
その後、ご飯にみそ汁に漬物がくるのですが、おそらくご飯も高級米で作られた物だと思います。
食事後、海辺や唐津城などを散策し、その後お風呂に入りました。
場所的に温泉ではないのですが、すばらしいロケーションにヒノキ風呂、湯加減もよく、とても気持ちよかったです。
とても素晴らしい食事などを堪能したのですが、素晴らしいのはそれだけではありません。
それは、水野旅館のみなさんの気配り目配り心配りの素晴らしい配慮です。
それをいくつか紹介します。
まず、食事中、お茶を何度も出してくれるのですが、冷たい湯飲みにそのままお茶を注ぐのではなく、あらかじめ温めた湯飲みにお茶を注いでいました。
次に食事前に出るおしぼりですが、ビニール袋に入っていませんでした。
これは、業者におしぼりを頼んでいないことを意味すると思いますが、たまにある残念な例が、それが少し臭うことです。
が、このおしぼりは全くの無臭。
気持ちよく使いました。
そのおしぼりは、食事後も出てきました。
次に配膳などに来た際、私たちのビールなど減っていないかを目配り、それが減っていると、必ず注いでくれるのです。
その中でも、若女将と思われる人がとても美人で、ビールの味が格別になります。
次に、ご飯などを自分たちでついでいると、
「申し訳ございません、私がおつぎします!」
と、片付けなどの手を止めてまで、必ずよそってくれます。
次に外に散策に行く際や帰ってきた際、必ず靴箱から靴を出し入れしてくれるのです。
ここですごいと思ったことが、接客してままないのに、一人ひとりの靴を覚えていることです。
と、気付かない点も多かったと思いますが、素晴らしい数々の配慮でした。
そんなこんなで、妻の両親にもとてもよろこんでもらい、本当によかったです。
いいお金の使い方をすると、こんなにいい気分になるこを知りました。
水野旅館のみなさんのおかげで、
一生の思い出ができました。
2018年3月20日