突然ですが、最近、近所の中学生が、うちの事務所の裏の川で、ルアー釣りをするのが流行っているようです。
そんなある日、事務所で仕事をしていたら、やはり釣りでしょう。
裏の川がにぎやかでしでした。
そんな中、事務所の戸をたたく音がしました。
さて何だろうと、出てみました。
その顔ぶれは、近所の顔見知りが数名。
その友達であろう、顔見知りではない子が数名。
そしてその、顔見知りではない一人の子をみて見ると、なんと、手に、ぐっさりと、ルアーの針が刺さっているのです。
その子は、声を出すこともままならないようで、とても痛そうです。
この、自分たちではどうすることもできないことを察した、近所の顔見知りの子が、私を頼ってきたのです。
なので、車で病院に連れて行くことにしました。
その前に、そのことを、親に連絡させました。
その際、私の携帯電話を貸したのですが、痛みで、電話を持つこともできないその子に代わりそれを持ち、そしてその子の耳元へあて電話をさせるのでした。
そして車に乗せるのですが、痛さで、車のドアを開けることもままならないようで、開けてあげました。
その光景はまるで、王子様を高級車へ乗せるようでした。
では、病院へ出発します
進入路造成
2017年2月完成、場所は浮羽町内で、施主は農家様です。
ぶどう棚に行く際、狭い通路を通って農機具や収穫したぶどうなどを人力で運んでいました。
その進入路を広くするため、土羽を削りそこに石積を積み、その後コンクリートを舗設しました。
農機具や収穫したぶどうなどを軽トラで運べるようになったことで、売り上げはうなぎ上りでしょう。
病院へ出発したのでした。
道中、お互い黙っていました。
私はこの状況を変えようと、言いました。
「大物が釣れたね!」
と、
すると王子様は、
「は、はい」
と、今にも泣きそうな、震えた声で言いました。
私は、要らぬことを言ったと思い、その後、黙っていました。
車を走らせていると、少しの段差でももちろん車は揺れます。
そのわずかな揺れでも、手に響くようで、私は、慎重に車を走らせるのでした。
ようやく病院へとうちゃくすると、高級車のドアを開け、王子様をエスコートしました。
その後、病院に事情を説明し、帰ろうとした時、母親が駆けつけてきたらしく、
「ありがとうございます」
と、言われました。
それから数時間後、片手に包帯を巻いた王子様が、なんと、釣に戻ってきました。
あれから数週間、
なんの期待をしている訳ではありませんが、その日お礼こそ言ってもらいましたが、なんの連絡もありません。
私だったら親として、
菓子折りぐらいは持って行きます。
ちなみに私の車はジムニーです。
2017年8月22日